吉野裕高: ギャラリー


  • 2体ブラックホール系の Brill-Lindquist 初期空間における臨界動的横捕捉面 (marginally dynamically transversely trapping surfaces, marginally DTTSs)

    最近の論文で強い重力場領域を特徴付ける臨界動的横捕捉面 (a marginally Dynamically Transversely Trapping Surface, a marginally DTTS), を定義しました。臨界動的横捕捉面はシュバルツシルト時空では光子球面 r=3M に帰着します。臨界動的横捕捉面は臨界捕捉面(a marginally trapped surface, または見かけの地平面, an apparent horizon)との類似性が成立します。見かけの地平面はシュバルツシルト時空では r=2M に帰着する面です。


    Brill-Lindquist 初期空間は真空、時間対称で共形平坦な構造


    を持ちます。ここで Ψ に対する方程式は平坦空間におけるラプラス方程式に帰着します。もし解を


    と選べば、瞬間的に互いに静止している2体ブラックホールの初期空間となります。この初期空間における臨界動的横捕捉面をご覧ください。




  • Brill-Lindquist の2体ブラックホール初期空間における臨界捕捉面(見かけの地平面)

    比較のために、同じ初期空間における臨界捕捉面を示します。臨界動的横捕捉面と臨界捕捉面との間に類似性が認められます。




  • Majumdar-Papapetrou 時空の2体ブラックホール系における臨界動的横捕捉面

    Majumdar-Papapetrou 時空の2体ブラックホール系における臨界動的横捕捉面も調べました。Majumdar-Papapetrou 時空は静的な時空でメトリックは、


    によって与えられます。この時空には電磁場が存在し、その4元ベクトルポテンシャルは


    で与えられます。U に対する方程式は平坦空間のラプラス方程式に帰着し、解を


    のように選ぶと、2体ブラックホール系をあらわします。ここで、ブラックホールは重力による引力と電磁気力による斥力によってバランスし、静的な状態を保っています。

    それでは Majumdar-Papapetrou 時空の2体ブラックホール系における臨界動的横捕捉面をご覧ください。




  • 詳しくは私たちの論文 arXiv:1909.08420[gr-qc] を見てください。





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